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紙のタイムカードで労働時間を管理している企業は多くありますが、単にタイムカードの打刻機を設置するだけでは不正打刻や打刻ミスの懸念もあり、労働時間を適切に管理することは至難の業です。
加えて、打刻だけでは遅刻や早退、残業時間はわからないため、手で書き込んだり、集計を行ったりする必要があります。
タイムカード打刻で労働時間を適切に管理するには、ある程度社内のルール設定をしなくてはなりません。
そして、そのルールは当然労働基準法等の法律に準拠したものである必要があります。
この記事では、なぜタイムカード打刻にはルール設定が必要なのかを説明したうえで、ルールの具体例やタイムカード打刻の問題点などを解説します。
そして、現在主流になりつつある勤怠管理ツールの紹介をさせていただきます。
タイムカードによる勤怠管理に課題を感じている担当者の方はぜひ参考にしてください。
私は、飲食業界に30年以上携わってきました。
色々なオーナーさんの下でたくさんの飲食店を立ち上げ・立て直しをしてきました。
だからこそわかる細かのところを記事にしています。
少しでも参考にしてください。
今回の記事では、こんな方にオススメです。
- タイムカード打刻のルール設定の方法を知りたい方
- タイムカードから勤怠管理システムへの切り替えを検討している方
それでは、私と一緒に「タイムカードの運用をルール化すべき理由」から見ていきましょう!
これからタイムカードを使って勤怠管理をしようと考えている方や、改めて打刻ルールを見直したい方はぜひ最後までお読みください。
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タイムカードの運用をルール化すべき理由は?
タイムカードの運用をルール化する理由は多岐にわたり、組織や企業にとって重要な側面があります。以下は、その主な理由です:
- 正確な勤怠管理: ルール化されたタイムカードの運用により、従業員の出勤や退勤時間が正確に記録されます。これにより、給与計算や労働時間の正確な集計が可能になります。正確な勤怠管理は従業員と組織の双方にとって公平性を確保し、紛争を防ぎます。
- 法的遵守: 労働法規制には、従業員の労働時間や休憩時間に関する厳格な要件があります。ルール化されたタイムカードの運用は、これらの法的要件を順守し、法的トラブルを防ぐために不可欠です。
- 効率性の向上: タイムカードの運用ルールに従えば、勤怠情報の記録と集計が迅速かつ効率的に行えます。手続きが効率的であれば、管理者と従業員の両方が時間とエネルギーを節約でき、他の業務に集中できます。
- 透明性と信頼性: ルール化されたタイムカードの運用は、従業員に対して透明性を提供し、勤怠管理プロセスが公平であることを示します。従業員は自分の記録を確認し、信頼性のある給与支払いに対する信頼感を持つことができます。
- 管理の簡素化: タイムカードの運用ルールを明確にすることで、管理者は労働時間の確認や給与計算の処理を簡素化できます。混乱やエラーを最小限に抑えることができます。
- 紛争の回避: 従業員と組織間の勤怠に関する紛争を防ぐために、ルール化されたタイムカードの運用が役立ちます。明確なルールに従って記録が行われれば、紛争の原因を排除できます。
- 監査とコンプライアンス: ルール化されたタイムカードの運用は、内部監査や法的監査の際に必要なデータを提供できる体制を整えるのに役立ちます。コンプライアンス要件を満たすために必要な情報を正確に保持できます。
- 組織文化の形成: タイムカードの運用ルールは組織の文化にも影響を与えます。ルールを守り、公平な環境を維持する文化を醸成することができます。
結論として、タイムカードの運用をルール化することは、労働法規制への遵守、効率性の向上、透明性の提供、紛争回避など、多くの利点をもたらします。組織全体で一貫性のあるルールを設け、適切なトレーニングを提供することで、勤怠管理プロセスを改善し、組織と従業員の満足度を高めることができます。
正確にタイムカードを打刻するためのルールの具体例
正確なタイムカードの打刻を実現するためのルールの具体例をいくつか挙げてみます。
- 打刻場所の指定:
タイムカードの打刻場所を明確に指定することで、従業員が勤務開始時刻と終了時刻を正確に記録できるようになります。打刻場所は、勤務開始時刻に入室した時に行うのが望ましいです。 - 打刻方法の指定:
タイムカードの打刻方法を明確に指定することで、従業員が正確な勤務時間を記録できるようになります。打刻方法は、タイムカードに刻印する方法や、電子タイムレコーダーを使用する方法などがあります。 - 打刻漏れの補完方法の指定:
打刻漏れが発生した場合の補完方法を明確に指定することで、漏れが発生した場合でも正確な勤務時間を記録できるようになります。例えば、打刻漏れが発生した場合は、直ちに上司や管理者に報告し、適切に対応するようにすることが望ましいです。 - 修正や訂正方法の指定:
タイムカードの記録に誤りがあった場合の修正や訂正方法を明確に指定することで、正確な勤務時間を記録できるようになります。修正や訂正には、適切な承認や印鑑を使用する方法があります。 - 定時退社の実施:
定時退社を実施することで、従業員が適切な勤務時間を記録できるようになります。また、残業が発生した場合は、適切な手続きを行い、残業時間を正確に記録するようにします。
以上のように、正確なタイムカードの打刻を実現するためには、打刻場所や打刻方法の指定、打刻漏れや修正・訂正方法の指定、定時退社の実施などのルールが必要です。企業は、運用ルールを策定し、従業員に周知徹底することで、正確な勤怠管理を行うことが求められます。
出勤時、休憩時、退勤時の打刻ルールを明確に
タイムカードの打刻は、出勤時と退勤時に行うのが基本です。
打刻のタイミングとしては、出勤したらすぐに、業務が終わり次第すぐに打刻するというルールを明確に定めてください。
必ずしも必要ではありませんが、休憩時間も含めて労働時間を正確に把握するためには、休憩時間の打刻もルール化するのが望ましいと言えます。
休憩時間を打刻することは、休憩が長すぎる従業員を戒めるだけでなく、休憩をしっかり取れていない従業員をフォローするのにも役立ちます。
最低限、法律で定められた休憩時間(6時間を超える労働時間の場合に45分以上、8時間を超える労働時間の場合に1時間以上)を取得できるように業務負荷を分散する等の工夫をしましょう。
出勤時と退勤時に必ず本人が打刻すること
打刻は出勤時と退勤時におこなうものであり、このことも就業規則に記載しましょう。
記載していなない場合、打刻する時間帯が出勤時と勤務開始時間のどちらなのか分からなくなってしまいます。
また、打刻する時間帯と合わせて必ず本人がおこなうということも大切です。タイムカードは他の人でも扱えてしまうため、不正打刻が行われる可能性があります。
タイムカードに打刻するタイミングを明確化すること
お伝えしたように、2019年4月1日に施行された改正労働安全衛生法では、新たに従業員の労働時間の「客観的な把握」が使用者の義務化されているため、使用者は労働時間の範囲を理解しておく必要があります。
具体的には、以下のような時間も労働時間に換算するため、使用者は打刻するルールを明確化する必要があります。
・使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替えなど)を事業場内において行った時間
・業務に関連した後始末(清掃など)を業場内において行った時間
・使用者の指示があった場合には即時に業務にあたることを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機などをしている時間
・参加することが業務上義務づけられている、研修・教育訓練を受講していた時間
・使用者の指示により、業務に必要な学習などを行っていた時間
打刻時間のズレの処理
正確な労働時間の把握のために、打刻時間のズレを申告する方法についてもルール化しましょう。
打刻後に残業を命じられた、あるいは出勤後にタイムカードを押す前に仕事を命じられたなどのケースに備えるためです。
たとえば、「15分以上の労働時間のズレは理由の記録を残し、上司に申告する」などのルールを決めましょう。
時間外労働が発生した際の対処法
極力時間外労働は避けるべきですが、急な仕事が入ってしまい、打刻後の時間外労働が発生してしまう場合もあります。
そのようなことが起きてもしっかりと対応できるように、時間外労働が発生した場合の対処法も就業規則に書きましょう。
記載されていない場合、適正な労働時間の管理ができず、給与計算トラブルの原因になってしまう可能性があります。
直行・直帰・在宅勤務等のルール
直行・直帰・在宅勤務など、会社に出勤しない場合のタイムカードの運用ルールも必要です。
通常の打刻ができないため、何もルールがなければ労働時間の記録が一切残りません。
たとえば、「会社以外で勤務する場合は、基本的に残業はみとめない」「残業する場合は、上司の承認を得る」などのルールを決めておきましょう。
自社のことを考えてルールを作ることにより、働き方を変えることなく、従業員一人ひとりの労働時間が管理しやすくなります。
打刻ミスや不正打刻への対応を就業規則に明記する
打刻方法や打刻する時間帯だけではなく、打刻ミスや不正打刻に関する規定も就業規則に記載しましょう。
打刻ミスや不正打刻といったトラブルに関する規定を設けることで、従業員に対して訂正な対処ができます。
例えばペナルティを与える場合、必ず就業規則に記載しておかなければなりません。
ただし、就業規則に記載するだけではなく従業員にペナルティがあることや、打刻ミスをしてしまった際の対応方法をしっかりと周知して理解してもらうことも大切です。
タイムカード打刻の問題点
タイムカード打刻には以下のような問題点があります。
- 打刻漏れや打刻不正の発生:
従業員が勤務開始や終了の時間を正確に記録できなかったり、誤った時間を打刻したりすることがあるため、勤怠管理の精度が低下することがあります。 - 打刻ミスの発生:
手作業でタイムカードを打刻する場合、従業員や管理者の手違いにより、打刻時間が誤って記録されることがあります。また、電子タイムレコーダーを使用する場合でも、故障や操作ミスによって打刻ミスが発生することがあります。 - 打刻漏れの補完に時間がかかる:
打刻漏れが発生した場合、補完作業に時間がかかるため、勤務時間の正確な記録が遅れることがあります。 - 情報の集計や管理が手間がかかる:
従業員数が多い場合、タイムカードの情報を手作業で集計・管理することは非常に手間がかかります。また、情報の入力ミスや漏れが発生する可能性もあります。 - 紛失や紙媒体の劣化:
タイムカードは紙で作られているため、紛失したり、紙媒体の劣化によって記録が読み取りづらくなることがあります。
以上のような問題点があるため、企業はタイムカード打刻に代わる方法を模索することが求められます。電子タイムレコーダーやスマートフォンアプリなどのデジタル技術を活用することで、打刻漏れや打刻ミスの発生を減らし、勤怠管理の精度を向上させることができます。
集計や計算に時間がかかる
タイムカードによって労働時間を正確に記録することができたとしても、全従業員のタイムカードを回収して集計を行うとどうしても時間がかかってしまいます。
また、手作業による転記ミスや計算ミスを完全になくすことは難しく、もしも計算を間違えたまま給与の支払いが行われ、未払いや過払いが発生すると、従業員に大きな迷惑がかかります。
そればかりか会社の信用も落としてしまうため、ダブルチェックを行うなど慎重に作業を行う必要があります。
ヒューマンエラーを完全には防止できない
不正打刻や押し忘れなど、打刻そのものに関するヒューマンエラーを完全に防止することは難しいです。
タイムカードは簡単に代理打刻ができてしまいますし、押し忘れの場合には手書きで補填する必要があるため、完全な正確性を担保することはできません。
打刻のルールを明確化し、修正の際は上長の許可を必須にするなど、不正打刻を防止し、客観的な労働時間を把握できるような体制が求められます。
リアルタイムで勤怠状況を把握するのが難しい
当たり前ですが、タイムカードはあくまで「出退勤の時刻」を記録するもののため、従業員別の定時が何時から何時なのかといった情報はタイムカード外で管理するしかありません。
そのため、タイムカードの打刻だけでは遅刻や早退、残業時間を判断できず、後から集計・確認が必要となります。
月ごとに集計して内容を確認することになるため、月の途中での勤怠状況をリアルタイムで把握することは難しく、残業時間が法定の上限を超過しそうな場合でもそれに気付くことはできません。
場合によっては法令違反になってしまう危険性もあるため、リアルタイムで勤怠状況を把握できる仕組みが必要です。
人によって集計ルールが違う
これは集計を行う勤怠管理担当者の問題ですが、紙のタイムカードからエクセルに転記する際や集計を行う際に、「担当者判断で手を加えている」ことが少なくありません。
例えば、「遅刻しているけれど、この人は普段めったに遅刻しないしなかったことにしてあげよう」や、「計算しにくいから、25分の早退を30分として計算しよう」等、人によってブレがあっては困る処理や、法律的に認められていないことを自社ルールとして適用していないでしょうか?
前者については全従業員同じ処理なら問題ありませんが、人によって異なるのは不平等となるためおすすめできません。
後者に至っては、「実際の早退以上の給与を控除する」こととなりますので違法となってしまいます。
不正打刻を防ぎ適切に労働時間を管理するには勤怠管理システムの導入を
タイムカード打刻の問題点を解消するには、勤怠管理システムの導入がおすすめです。
勤怠管理システムとは、クラウド上で労働時間などを記録し、従業員の始業・終業の状況を管理するシステムのことを指します。
勤怠管理システムを導入することで、不正打刻を防ぎながら適切に労働時間を管理することが可能となります。
勤怠管理システムのメリット
勤怠管理システムの主なメリットは以下の通りです。
- 打刻ミスの軽減:
勤怠管理システムは、従業員が勤務開始や終了の時間を正確に打刻できるよう支援する機能があります。また、打刻漏れや打刻不正を検知して、管理者に通知する機能も備えています。 - データの正確性:
勤怠管理システムは、デジタル化されたデータを活用するため、打刻漏れや打刻ミスが発生することが少なくなります。また、手作業で行う場合に比べ、情報の入力ミスや漏れが発生するリスクも低くなります。 - 効率的な勤怠管理:
勤怠管理システムは、従業員の勤務時間や休暇などの情報を自動的に集計し、管理者が効率的に管理できるようにする機能があります。また、各種レポートを自動生成することができるため、人事部門や経営陣が業務の判断を迅速に行うことができます。 - 規則遵守の強化:
勤怠管理システムには、就業規則や労働法に基づく勤務規則などを設定することができます。このため、従業員が勤務時間や休暇の申請などに関して規則に従うよう促すことができます。 - コスト削減:
勤怠管理システムを導入することで、勤怠管理にかかる人件費や紙のコスト、タイムカードの交換費用などを削減できます。また、勤怠管理にかかる業務時間も削減できるため、業務の効率化につながります。
以上のように、勤怠管理システムの導入により、勤怠管理の精度を向上させることができるだけでなく、企業の業務効率化やコスト削減にも貢献することができます。
まとめ
タイムカード打刻で労働時間を管理する場合には、明確なルール設定が欠かせません。
場当たり的な管理とならないよう、就業規則などで明確にルールを設定するようにしましょう。
もっとも、ルールを設定したとしても、タイムカード打刻による労働時間の管理にはどうしても問題点が残ります。
タイムカード打刻の問題点に頭を悩ませている方は、勤怠管理システムへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
勤怠管理システムを使いこなすことができれば、集計・計算作業の手間や、不正打刻の可能性などタイムカード打刻の問題点を解消して、効率的かつ正確な勤怠管理が可能となります。
ぜひ一度、勤怠管理システムの導入を検討してみてください。
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