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飲食店開業で必要な資金に関する4つの資金計画とは?それぞれ詳しく解説!

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資金計画は開業計画の中でも非常に重要な意味を持っています。

オーナーさん・店長さんはこれから飲食店を開業するために、どのように売り上げ予測えお立て、資金調達したお金をどのように返済していくのか予測が立っていますか?

実は、資金計画には「投資」「売上」「損益」「返済」と4つあります。

それぞれを別々で考えることと何度も練り直し、見直すことが重要となります。

この記事では、4つのそれぞれの計画をどのように練っていくのかを説明していきます。

この記事を読むと、2つの重症性が理解できます。

  • 何度も計画を練り直すこと
  • 客観的に計画を見直すこと

これらを意識して4つの計画を見ていきましょう。

  1. 投資計画・・・いったいいくらかかるのか?
  2. 売上計画・・・いったいどれくらい売れるのか?
  3. 損益計画・・・いったいそれくらい儲かるのか?
  4. 返済計画・・・借りたお金をどのように返済するのか?

開業者の中には、試算上は赤だったが何とかなるだろうと考えて開業したが、結局全く利益が出なくて廃業する、そのようなケースが多くあります。

資金計画は単なる予想ではなく、様々なデータを持ち寄り、客観的に予測し計画を立てていく作業です。

繰り返しますが、この資金計画は開業計画の中でも非常に重要な意味を持っています。

では、実際にどのように上記4つの計画を練っていくのかを説明していきます。

飲食店を開業するためにやっておくべきこと83選!の記事はこちら

注目記事:飲食店開業の資金を抑えたい!物件選びで失敗したくない!そんな方のためのサービス!

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飲食店開業で必要な資金に関する資金計画とは?

飲食店を開業する際の資金計画は非常に重要です。十分な資金を計画し、管理することは、事業の成功に不可欠です。以下に、飲食店開業の資金計画に関する一般的な要点を示します:

  1. 資本投入:
    • 開業に必要な初期投資額を計算します。これには、設備や装置の購入、店舗のレンタル・リース料、改装費用、許認可申請費用、法的手続きにかかる費用などが含まれます。
  2. 原材料費:
    • 食材や飲料、調味料などの原材料費用を見積もります。メニューに必要な材料と供給源を確保し、仕入れのコストを考慮します。
  3. 人件費:
    • スタッフの給与、福利厚生、雇用保険などの人件費を計画します。厨房スタッフ、ウェイター、バーテンダー、清掃スタッフなどの雇用を考慮しましょう。
  4. レンタル料:
    • 店舗の賃貸料やリース料を考慮します。場所の選択と契約条件が賃貸費用に影響を与えます。
  5. 光熱費と水道光熱費:
    • 電気、ガス、水道などの公共サービスのコストを計算します。省エネルギー対策を考慮し、コストを最小限に抑える取り組みも検討しましょう。
  6. 広告宣伝費用:
    • 店舗の宣伝やマーケティング活動に予算を充てます。ウェブサイトの構築、ソーシャルメディア広告、フライヤー印刷などが含まれます。
  7. 管理費:
    • 事務用品、清掃用品、事務所家具、POSシステム、レジスターなど、日常の経営に必要な費用を計算します。
  8. 税金と保険:
    • 事業税、所得税、法的手続きにかかる税金などを考慮し、予算を立てます。また、事業保険なども必要に応じて加味します。
  9. 緊急の資金:
    • 急な修理、設備の故障、予期せぬ支出に備えるための緊急の資金プールを用意します。
  10. 利益とリタイアメント:
    • 利益を上げ、将来の成長やリタイアメント資金を積み立てるための資金も考慮に入れます。

これらの要因を考慮して、開業に必要な総資金を計算します。資金計画は、銀行からのローン、投資家からの資金調達、自己資金、補助金の利用など、複数の資金源を検討し、事業を安定的に運営するために不可欠です。また、事業が成長するにつれて資金計画を適宜見直すことも重要です。

投資計画・・・いったいいくらかかるのか?

「お店を作るのっていくらかかるのですか?」

経験のない方には実際にいくらかかるのか想像もつかないと思います。

お店の規模や業態、物件状態(スケルトン・居抜きなど)によってまちまちです。

一般的にスケルトンで居酒屋なら開業に必要な資金は一坪100万円と言われています。

15坪で1500万円です。

しかし、漠然とした資金計画で進めたり、投資額を少なく見積もったりすると、失敗の大きな要因になります。

しっかりと初期の段階から計画を練り、必要な全ての費用を予算化することが非常に重要になってきます。

ここからは、

  • まずは飲食店開業にどんな費用が必要なのか
  • どのように考えるのか
  • ある飲食店の事例

をもとに見ていきましょう。

飲食店開業に必要な主な費用と概要

1  物件開発費・・・物件を取得する際に必要な費用

2  店舗工事費・・・店舗内外装、家具、厨房機器、設備などに必要な費用

3  開業諸経費・・・販促物制作・什器備品などに必要な費用

4  運転資金・・・物件の前家賃、開業前の人件費、開業後に必要な運転資金

次に、上記4つの費用の考え方を、以下の出店事例を元に考えていきます。
【モデル例】業態:居酒屋 家賃:40万円 広さ:20坪

  • ※以下の表は、各項目ごとの費用と、1坪あたりの費用および全体の内何割がその項目にしめるのかを表記しております。
費用
(万円)
坪単価
(万円)
割合考え方
物件開発費480
2419.6%物件開発費の内訳として、保証金は家賃10ヶ月分、礼金は1ヶ月分、仲介手数料は1ヶ月分、合計12ヶ月分を物件開発費として考えます。 ただし、2等立地や3等立地だと保証金が3ヶ月分であったり、超人気物件だと20ヶ月分になったりと、物件によってまちまちです。
その他、場合によっては企画料、居抜物件であれば造作譲渡料なども発生する場合があります。
店舗工事費1400
7057.1%一般的には、スケルトンの場合で坪単価50万円〜100万円程と言われています。
ただし、内容によって大きく異なる為、店舗内外装費、設備、厨房費用などは、設計施工会社や厨房会社から必ず見積もりを取るようにしてください。
特に、焼肉、中華料理やフレンチなど、重飲食の場合は設備機器投資額が大きくなります。
開業諸経費190
9.57.8%開業諸経費の内訳は、細かい点も含めるとたくさんの項目になります。代表的なものとして、「調理器具・食器・備品費」「ユニフォーム費」「広告宣伝費・販促物制作費」「事務用品費」「消耗品費」「メニュー制作費」「開業前人件費」「開業前材料費」などです。
業態やコンセプトによりますが、1坪あたり8万円=〜20万円程を概算として考えます。
運転資金380
1915.5%運転資金では、人件費・固定費のおよそ3ヶ月分、前家賃2ヶ月分は用意しておくことが望まれます。
特に、開業後すぐは売上が安定しない為、売上が目標の50%に満たなくても半年ほど資金繰りが可能な額を用意できるのが理想的です。
24501225100%

出店計画初期段階では、全ての項目を正確に出すことは難しいですが、上記の表を参考にまずはどれ位の費用がかかりそうかをイメージしてみてください。

また、目ぼしい物件が見つかっている方であれば、物件開発費も正確に落とし込めますので、それを元に各項目を精査していってください。

重要なポイントの一つとして、投資計画はなるべく多く見積もるようにしてください。
予算は必ずと言っていいほどオーバーするが考えられます。

次の項では、投資計画を検討しながら、同時にどれくらい売れるのか、を考えていきます。

売上計画・・・いったいどれくらい売れるのか?

前項では、投資計画の説明をしましたが、この項では実際に「どれくらい売れるのか?」という観点である売上計画の話をしていきます。

売上が思い通りに上がらないと、開業後経営難に直面してしまいます。

根拠あるしっかりとした数値計算を行い、無理のない現実的な売上計画が望まれます。

では、実際にお店の売上計画の計算をしてみましょう。

1日の売上高の数式はこちらです。

「売上高」=「坪数」×「座係数」×「満席率」×「回転率」×「客単価」

※座係数とは1坪につき何席設ける事が出来るかという数値です。 席系数の目安は1坪あたり1.3〜1.5席です。 高級レストランのようなゆったりめの配置であれば、席系数は1に、 窮屈に席を詰める事のできる業態の場合は1.8席程度で計算してください。

※満席率とは満席時に全席数の内、何名の客が座っているかを表す数値です。 目安は0.6〜0.7位です。

※回転数はモデル店舗や周辺の競合店舗のリサーチを元に現実的な数値を入れるようにしてください。

では次に、以下のモデル店舗の売上高を実際にこの計算式に当てはめて割り出してみます。

【モデル例】業態:居酒屋 家賃:40万円 広さ:20坪 席系数:1.5 満席率:70%
回転数:1.5回 客単価:3,500円

102900円=20坪×1.4×70%×1.5回×3500円

上記のように、モデル店舗では1日の売上が10万2900円になります。

月間の売上は、25日営業だとすれば、月商:257万2500円と導き出せます。

このように、おおよその売上高を上記のような計算式で割り出していきます。

その他のポイントとして、

例えばランチ営業をするのであれば、ディナーとランチのそれぞれの売上高を別々に割り出し、合計して日商を割り出します。

例えばテイクアウトなどのように席数ではなく来店人数で考える際には、時間毎の【来店人数×客単価×営業時間】で日商を割り出します。

重要なポイント

重要なポイントとして、売上データを考えていく時に、以下の3つの時期に分けて考える事です。

1、低調時の売上・・・雨の日などの客足が伸び悩む時期

2、標準時の売上・・・平均的な売上が予測できる時期

3、好調時の売上・・・給料日前などの客足が大変好調な時期

以上のように、このお店のコンセプトであればどれくらい売り上げられるのか、という売上計画を立てていきます。

繰り返しますが、売上計画を立てるときは、根拠のある数値計算を行い、現実的で無理のない売上計画を立てていくことが非常に重要です。

次の項では、投資計画と売上計画を検討しながら、同時にどれくらい儲かるのか、を考えていきます。

損益計画・・・いったいそれくらい儲かるのか?

前項までで、投資及び売上計画の考え方について説明してきましたが、

この項では実際に「どれくらい儲かるのか?」という観点である、損益計画について説明していきます。

ここで損益計算をしっかりとおこない、開業の計画を進めるべきか、もしくは一旦見直すべきなのか、判断をしていきます。

およその目標として、経常利益10%以上を目指すように考えてください。

まず始めに損益計画を進めていく上で、飲食店を運営する上でどんな費用が必要なのか、ランニングコストを確認していきます。

飲食店の経費項目として、【変動費】【固定費】に大別できます。

変動費 ・・・ 売上の変動により額が変わる費用のことを指します。
原価、人件費、水道光熱費、販売促進費などが変動費にあたります。

固定費 ・・・ 売上が変動しなくても額が変わらない費用のことを指します。
家賃、減価償却費、支払利息、リース料、本部費、固定契約料などが固定費にあたります。
固定費は当初から決まってしまう性質の為、「初期条件」とも言います。

次に、各経費が予測売上に対して、何%かかっているのか、以下の表に、主な費用項目および、およそのパーセンテージを表記しますので、計画を立てる上で参考にしてください。

(※売上計画の算出方法については、前項「売上計画・・・いったいどれくらい売れるのか?」をご覧ください。)

【飲食店における費用項目例】

項目割合考え方
変動費原価30%前後料理原価、食材原価などの原価率です。
原価と人件費の合計が対売上の60%以下になるように目標設定をします。
人件費27%前後社員給与、アルバイト給与、通勤交通費や食費、福利厚生費などの人件費です。 人件費と原価の合計が対売上の60%以下になるように目標設定をします。
水道光熱費5%前後ガス代、電気代、水道代などの水道光熱費です。
販売促進費3%前後広告宣伝費や販売促進費などです。
その他5%前後事務用消耗品や修繕費、通信費などの諸経費です。
      Total   60%〜70%
固定費家賃10%以下賃料、共益費、売上歩合家賃などを合わせた費用です。
その他
初期条件
10%以下減価償却費、支払利息、リース料などを合わせた費用です。
      Total   15%〜25%

ここで重要なのは、「変動費と固定費の合計が売上の90%以下」にする、という点です。
逆に言うと、「経常利益10%以上」にするということになります。

では次に、上記の目安のパーセンテージを参考に、実際にあなたのお店の売上高から、およその利益を算出してみたいと思います。

では次に、上記の目安のパーセンテージを参考に、実際にあなたのお店の売上高から、およその利益を算出してみたいと思います。

月次売上高 :

円原価 : % 円

人件費 : % 円

水道光熱費 : % 円

販売促進費 : % 円

その他 変動費 : % 円

家賃 : % 円

その他 固定費 : % 円

Total : % 円

経常利益 : % 円

この経常利益から、法人であれば法人税などの税金、借入をしているのであれば月々の元本返済額を差し引いていきます。
上記の経常利益はそのまま資金として残るものではないので、注意が必要です。

もしここで利益があがらないことがわかれば、再度売上計画やコンセプトを見直していく必要があります。

どんぶり勘定ではなく、利益があがる計画を何度も練り直すことが非常に重要です。

返済計画・・・借りたお金をどのように返すのか?

「投資計画・・・いったいいくらかかるのか?」でも述べたように、飲食店出店時には大きな投資資金が必要になってきます。

全額を自己資金として用意できるのが理想ですが、なるべく半分、最低でも3分の1の自己資金は必要です。

なぜならば、自己資金は残りの開業資金を貸してもらうための前提条件となるからです。

自己資金が全くないと、借り入れも非常に難しいと考えるべきです。

では、どういったところから借り入れられるのか、どのように返済していくのかをここでは説明していきます。

新規開業者の場合は、銀行からの借り入れは十分な担保が無い限り、大変難しいと考えておくべきです。

過去の実績や経営者としての能力も未知数なため、銀行にとってリスクが非常に高いからです。

よって、新規開業者の多くは「公的融資」からの借入を利用しています。

公的融資として「日本政策金融公庫」「地方自治体融資制度」などが知られています。

「日本政策金融公庫」は、中小企業などを対象にする政府系の金融機関です。
主な条件や利用の流れなどは、以下の表をご覧ください。

「地方自治体融資制度」は都道府県や市区町村などが実施している制度です。
内容は実施している自治体によって様々ですので、出店希望地の自治体に問合せてください。

【飲食店における費用項目例】

資金のお使いみち運転資金設備資金特定設備資金
ご融資額4,800万円以内7,200万円以内
ご返済期間
(うち据置期間)
5年以内
(1年以内)
10年以内
(2年以内)
20年以内
(2年以内)
利率基準利率
※2009年6月22日現在の利率(年利2.3%)
※お使いみちやご返済期間によって異なる利率が適用されます。
保証人・担保ご融資に際しての保証人、担保(不動産、有価証券等)などにつきましては、お客さまのご要望を伺いながらご相談させていただきます。
日本政策金融公庫

その他、親族からの借り入れや出資を募る方法など、場合によっては金融機関以外からの資金調達も視野に入れながら資金調達計画を立てていきます。

次に、資金調達計画を立てたら、借りたお金をどのように返済していくのか、返済計画を立てていきます。

飲食店で陥りやすい例として、黒字倒産という事があります。

利益が出ているにもかかわらず、借入金の返済が出来ずに倒産する、という例です。

これは、税務上は借入金の返済は税引き後利益からしかできないという事が理由です。

返済計画の計算式は「税引き後利益+減価償却費」となります。

 【月々の元本返済額<税引き後利益+減価償却費】 を目指さないといけません。

利益が出ていても、その利益より返済額が大きいと、資金がショートしてしまいます。

こうならない為にも、返済が経営を圧迫しないかどうかを必ずチェックする事が必要です。

借入金額:返済期間:年利:
月間
返済額
月間
利息額
月間
元利合計
年間
返済額
年間
利息額
年間
元利合計

※元利均等返済での計算式です。
※上記の計算結果は概算ですので、計画の目安としてご利用下さい。

重要なのは、前項で試算した経常利益+減価償却費が返済額より大きいかどうかです。

損益計算書の利益額ではなく、最終的に手元に残る資金が最も大切です。

ここでも繰り返しますが、これまで立ててきた資金面の計画をそれぞれ繰り返し見直しつつ、コンセプトと合わせて計画を練っていってください。

まとめ

ここまで4つの資金計画を詳しくみてきました。

投資計画・・・いったいいくらかかるのか?
売上計画・・・いったいどれくらい売れるのか?
損益計画・・・いったいそれくらい儲かるのか?
返済計画・・・借りたお金をどのように返済するのか?

それぞれに、

投資計画は重要なポイントの一つとして、投資計画はなるべく多く見積もるようにしてください。

予算は必ずと言っていいほどオーバーするが考えられます。

売上計画は根拠のある数値計算を行い、現実的で無理のない売上計画を立てていくことが非常に重要です。

損益計画は 利益があがらないことがわかれば、再度売上計画やコンセプトを見直していく必要があります。

返済計画は 試算した経常利益+減価償却費が返済額より大きいかどうかです。

損益計算書の利益額ではなく、最終的に手元に残る資金が最も大切です。

※何度も計画を練り直すこと!

※客観的に計画を見直すこと!

このことを忘れないで、現実的に無理のない予測を立てましょう。

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