飲食店を開業するために最初に考えなければならないことがあります。
それは「コンセプト」を作成することです。
この「コンセプト」はメニューやお店作りをする上でかかせない事です。
すべての内容に影響すると言っても過言ではありません。
最初の「コンセプト」であなたのお店の成否が決まると言ってもいいでしょう。
お金があれば飲食店は開業できるでしょう。
しかし、継続的にお客様を呼ぶには、しっかりとした「コンセプト」が必要になってきます。
「コンセプト」これこそがお店の「顔」となるのです。
では、どうやって「コンセプト」を決めるといいのか?
この記事を読むと
- 「コンセプト」の重要性
- 「コンセプト」の作り方
- 「コンセプト」の活用法
が詳しくわかります。
そして、この記事を読んだ後
あなたのお店は「コンセプト」によって軸のブレない良いお店になります。
それでは、飲食に30年以上携わってきて、色々なお店の立て直しをしてきた私と一緒に見ていきましょう!
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飲食店開業するのに最初に必要な「コンセプト」の作り方・考え方!
飲食店を開業する際には、独自の「コンセプト」を持つことが成功の鍵です。以下に、飲食店のコンセプトを考える際の方法と考え方を紹介します:
- 目標と願望の明確化:
- まず、自身の目標や願望を明確にしましょう。なぜ飲食店を開業したいのか、どのような経験や価値を提供したいのかを考えます。これがコンセプトの出発点です。
- ターゲット市場の特定:
- 飲食店の成功には、特定のターゲット市場を理解することが重要です。誰に提供したいのか、そのターゲット市場のニーズや好みを分析しましょう。
- 競合分析:
- 同じ地域や業界における競合店を調査し、競合店の特徴を把握します。競合店との差別化ポイントを見つけることがコンセプトの基盤です。
- メニューと料理スタイル:
- コンセプトを決定する際に、提供するメニューや料理スタイルを考えます。料理の種類、食材の選択、調理法、味の特徴などを含めて検討しましょう。
- 雰囲気とデザイン:
- 飲食店の雰囲気やデザインもコンセプトに影響を与えます。居心地の良いカジュアルな場所、高級感のあるレストラン、テーマレストランなど、店舗の雰囲気を決定します。
- ブランディング:
- ブランディングはコンセプトの一部であり、ロゴ、店舗名、ウェブサイト、メニューのデザインなどが含まれます。一貫性のあるブランドイメージを構築しましょう。
- 価格帯とサービス:
- 価格帯と提供するサービスもコンセプトに影響します。高級感のあるレストランなら高価格帯、カジュアルなカフェなら手頃な価格帯といった具体的な設定を行います。
- サステナビリティとトレンド:
- 環境への配慮やサステナビリティが重要な要素である場合、それをコンセプトに取り入れることも考慮します。また、最新の食品トレンドに敏感であることも魅力的です。
- ストーリーテリング:
- 顧客に店舗や料理の背後にあるストーリーを伝えることで、感情的なつながりを築くことができます。ストーリーテリングはコンセプトを補完する要素です。
- テストと改善:
- コンセプトを確立したら、プリオープンテストを行い、顧客の反応を評価しましょう。必要に応じてコンセプトを微調整し、改善していきます。
飲食店のコンセプトは、成功の基盤となり、顧客を引き寄せ、ブランドを確立する重要な要素です。コンセプトは独自性を強調し、競合店との差別化を実現するために工夫するべきです。
飲食店に「コンセプト」が必要な理由
ライバル店との差別化ができる
明確な「コンセプト」があると競合店との差別化ができお客様から明確な理由で選ばれやすくなります。
自店独自の「コンセプト」をしっかりと設計し、お客様に伝えることが重要です。
「コンセプト」をお客様が理解することで「今日は〇〇な気分だから、〇〇なお店に行こう」となる訳です。
例えば、「渋谷・カレー」と考えているお客様が「ボリューム」と絞った時に
自店のコンセプトが「渋谷で一番のボリュームのあるカレー屋」だったら来店を選んでくれます。
このようにしっかりとした「コンセプト」が必要となってきます。
オーナー・店長がお店への意思決定をしやすくなる
オーナー・店長は飲食店を開業するときに色々と決めなければならないことが多くあります。
例えば、
- 店名
- メニュー
- 内装・外装
- 接客スタイル
- 料理
- 提供時間
- 価格
- 立地など
これらのことを意思決定します。
これらを一つ一つ決めていくには時間がかかります。
そしてそれぞれバラバラに決めていくと出来上がったお店はチグハグなものになってしまいます。
「コンセプト」をしっかりと決めていると、「ここはコンセプトに合っていないから却下」というふうに意思決定がスムーズでまとまりなあるお店になります。
例えば、
「渋谷で1番のボリュームのあるカレー屋」がコンセプトなら
- 一目でカレー屋という外装にします
- ボリュームがあるカレー屋なのでお皿は大きなものを用意する
- フードファイターに対応したメニューを作る
こういった感じで、外装に関わる大きなものからお皿に至る小さなものまで「コンセプト」があることによって、決めることができます。
「コンセプト」に関わる意思決定をしていくことで、お客様に「コンセプト」が伝わりやすくなります。
「コンセプト」のわかりやすい作り方
5W1Hに沿って考えるのが基本
コンセプト作りは、5W1Hに沿って考えるのが基本です。
「なにを・だれに・どこで・いつ・いくらで・どのように・だれと・なぜ」
「コンセプト」が不明確だとお店の軸がブレブレになってチグハグなお店になってしまします。
・どこのエリアで物件を探せばいいか
・開業コストはどれくらいかけるべきか
・どんな雰囲気の内装/外装にすべきか
・メニュー内容と価格をどうするか
これに当てはめて考えましょう!
why | なぜ | 創業目的・目標・夢 |
---|---|---|
who | 誰に | ターゲット顧客 |
what | 何を | 商品/メニュー |
where | どこで | 立地/物件 |
when | いつ | 営業時間/開業時期 |
how | どうやって | 接客/サービス |
例えば、渋谷で大盛りカレー屋を開業するとします。
why・・・美味しいカレーをいっぱい食べてもらいたい
who・・・大食いの若者
what・・・スパイスにこだわったカレーでとにかくボリューム満点
where・・・渋谷の裏路地
when・・・深夜でもカレーの食べられるお店
how・・・食べた量をランキングにする
と言ったように決めていきましょう。
ここまではざっくりと決めて次からはしっかりと「コンセプト」を決めていきましょう!
「コンセプト」を考える上で重要な3つのポイント
ここまでで「コンセプト」の重要性が理解できたと思います。
ここからは、3つのステップで考えていきましょう。
変えたくない軸を考える
「コンセプト」を決める際には、まずは「変えたくない軸」を決めることが大切です。
「変えたlいない軸」とは、お店を開くに当たって、「これだけは欠かせない」と自分が思っている理想の飲食店のイメージです。
これはお店に必要な重要な要素です。
この軸がないと「コンセプト」がブレてしまいます。
軸があることで、「コンセプト」に迷った時も軸に立ち返って考えることができます。
「軸」の例としては以下のことが挙げられます。
- 渋谷にお店を出したい
- 20代の大食いの人と挑戦したい
- スパイスにこだわったカレーを出したい
- 深夜でもカレーを提供するお店を出したい
自分が理想とするお店の条件を書き出してみましょう。
シンプルなほど明確な「コンセプト」になります。
軸をもとにお客様が求めるお店を考える
決めた軸をもとにお客様が来店したくなるようなお店視するにはどうしたらいいか考えていきましょう。
イメージを具体化するには先程の5W1Hに当てはめて決めていきましょう。
これで最初に考えた5W1Hよりも明確な5W1Hになったと思います。
これこそがあなたのお店の「コンセプト」になります。
集めた情報を「コンセプト」に落とし込み、実現性を確認する
実際に決まった「コンセプト」が実現成可能なのか確認しましょう。
- 出店エリアで似たジャンル・価格帯のお店を視察する
- ターゲットとなる人に実際にフィードバックを受ける
まずは、「コンセプト」でお店を作って利益が出るのか?
これをざっくり確認するためには、実際に似たような営業スタイル・出店エリアでお店を探し出して、調査してみましょう。
似たような営業スタイルがない場合はもしかすると、あなたの「コンセプト」に無理があって利益を出せないのかもしれません。
ここは冷静に調査が必要です。
続いて、実際にターゲットとなる年齢の人に、率直な意見をもらいましょう。
街頭調査もいいでしょう。
スタッフやオーナーでは率直な意見は引き出せないので意味はありません。
特に価格やメニューに関する価値観は年齢などで左右されます。
率直な意見を聞くことはとても大切なことです。
「コンセプト」の活用法
メインコンセプトとサブコンセプトに分けて考えましょう!
メインコンセプト
メインコンセプトとはこれまで考えてきた内容のことです。
ここからはこのメインコンセプトに肉付け(サブコンセプト)を考えていきましょう。
サブコンセプト
サブコンセプトは「コンセプト」を実現していく上で必要な内容です。
- メニュー・商品コンセプト
- ターゲットコンセプト
- 立地コンセプト
- 店舗イメージコンセプト
ここからはこれらを考えていきましょう。
メニュー・商品コンセプト
メニューや商品の特徴やウリを明確にします。
その上で、価格や提供スタイル、味のレベル感や質量、商品数などをイメージしていきます。
重要なのは、ただ単に「おいしい商品を売る」だけではなく、どのようにおいしいのか?などを明確に表現すると、よりイメージが具体化されます。
ターゲットコンセプト
どのような年齢・年代、男女比率はどれくらいかということはもちろん、どのようなライフスタイルなのかまで設定してターゲットコンセプトを明確にしていく必要があります。
また、利用動機(家族で利用したい、会社帰りに一杯など)も同様に明確にしておくと、よりイメージがわきやすくなります。
立地コンセプト
オフィス立地なのか住宅立地なのか商業立地なのか、はたまた中間の地域なのか?といった立地のタイプをまずは考えていきます。
また、駅前なのか郊外なのか、その街が持っている雰囲気はどんなものか、賃料や階数はどうか、詳細にイメージを具現化していきます。
店舗イメージコンセプト
どんな雰囲気の店舗にするのか、どんなテイストでどんな色味なのか、広さはどれ位で・・・
というように具体的に店の姿をイメージしていきます。
実際に気になる店舗の写真を切り抜いて集め、情報をストックしていきます。
以上のように、一つ一つのサブコンセプトを熟慮していくことで、メインコンセプトが定まってくると思います。
重複しますが、メインコンセプトとサブコンセプトを考えていく際には、それぞれを関連付けて交互に考えていってください。
まとめ
お店を開業するには、まず初めに「コンセプト」を作ります。
そのコンセプトがしっかりとしているとお店作りの良い判断になります。
軸がぶれないように軸をしっかりと持つことが大切です。
最初はざっくりと決めて、その後5W1Hに当てはめて詳しく決めていきましょう。
そして決めた「コンセプト」でしっかりと利益が出せるのか?
ターゲットはいるのか?
これらをしっかりと調査しましょう。
これらがしっかりできて「コンセプト」に肉付けができればぶれないように全ての判断材料にしてお店を立ち上げましょう。
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