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店舗の原状回復のガイドライン!どの範囲まで?費用や注意点なども解説!

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テナント退去時には、物件の内装を借りた時の状態に戻して退去しなくてはいけません。

これを「原状回復」といい、原状回復費用はテナント契約者の負担となります。

今回は店舗の原状回復のガイドラインについて詳しく解説します。

テナントの原状回復の範囲、かかる費用の目安、高額になりがちな原状回復費用を抑える方法などをご紹介します。

飲食店のオーナーさん・店長さんは自店の閉店に伴い、テナントを原状回復しなければいけない時にどこまでの範囲しなければいけないのか?費用はどれくらいかかるのか?を知りたいですよね?

今回の記事では、

原状回復費用はどれくらいかかるのか?

どこまでの範囲しなければいけないのか?

トラブルにならない方法は?

安く済ませるには?

が分かるように詳しく解説いたします。

私は飲食業界に30年携わってきて、色々なオーナーさんの元、飲食店の立ち上げ・立て直しをしてきました。

だからこそわかる細かなところを今回はまとめましたので、ぜひ参考に使ってください。

この記事を読むと、自店の閉店にどれくらい費用がかかるのかが分かるようになっています。

それでは私と一緒に見ていきましょう!

注目記事:飲食店のゴキブリ駆除の費用は?プロにお任せ!掃除だけでは無理です。

タップできる目次

店舗の原状回復のガイドライン

店舗の原状回復に関するガイドラインは、借主と貸主の契約条件によって異なることがあります。通常、借主は賃貸物件を使用した後、契約で定められた状態に戻すことが求められます。以下は、一般的な店舗の原状回復に関するガイドラインです:

  1. 契約書の確認:
    • 契約書に原状回復に関する条件が明記されているか確認しましょう。具体的な修復・復旧項目や期限、責任の所在などが記載されているはずです。
  2. 写真記録:
    • 借主は、物件の入居前と退去前の写真を撮影し、状態を記録しておくことをおすすめします。これにより、後で争いを避けるのに役立つ証拠が得られます。
  3. 修復・清掃作業:
    • 契約に従い、物件内外の修復や清掃作業を実施しましょう。具体的な作業内容は契約書に基づいて行います。壁や床の修繕、塗装、設備の修理、清掃などが含まれます。
  4. 原状回復の期限:
    • 契約書で原状回復の期限が指定されている場合、期限を守りましょう。期限を過ぎると罰金や追加料金が発生する可能性があります。
  5. 専門業者の活用:
    • 大規模な修復作業や特別なスキルを必要とする場合、専門業者を雇うことを検討しましょう。専門家のアドバイスや作業が原状回復の品質向上に役立ちます。
  6. 費用の精算:
    • 原状回復作業の費用は、通常は借主の負担です。費用の精算に関する明確な合意が必要です。費用の証拠として領収書や請求書を保管しましょう。
  7. 最終チェックと調査:
    • 原状回復作業が完了したら、最終チェックを行い、契約書に規定された条件を遵守しているか確認します。必要に応じて貸主と一緒に物件を調査し、双方が合意することが大切です。
  8. 物件の引渡し:
    • 原状回復が完了したら、物件を貸主に引き渡し、引き渡し書や立会いを行うことが一般的です。物件の引き渡し時には、双方の調印が必要です。
  9. 法的アドバイス:
    • 原状回復に関する法的アドバイスを受けることを検討しましょう。法的な問題や紛争を避けるために、契約書と法律に従った行動が必要です。

原状回復作業は、貸主と借主の契約条件に基づいて行う必要があります。契約書を詳細に確認し、合意事項を守りながら、物件を適切な状態に戻すことが大切です。

テナントの原状回復の範囲や費用相場、費用の抑え方も解説!

テナントの原状回復は原則100%です。

自分で入れた厨房設備、空調設備、机やイスなどを撤去するのはもちろん、壁や床、照明、配線なども元通りにする必要があります。

また、テナントを借りた際に最初からスケルトン状態の物件であれば、基本的に退去時にスケルトン状態に戻さなければなりません。

内装部分を全て解体して骨組みの状態に戻し、廃材処分も行う「スケルトン工事」が必要となるため、そのための費用も用意しておきましょう。

契約した内容により解体後の仕上げ工事もしなければならない場合もあるため、契約時に確認が必要です。

原状回復費用の相場と費用の抑え方

10~50坪程度の小・中型店舗:坪単価3~5万円程度

50坪以上の大型店舗:坪単価5~10万円程度

店舗の大きさ以外にも場所や損耗具合や作業内容、設置設備などによって費用は異なります。

厨房設備や空調設備、収納棚や家具などが多い飲食店は他の業態と比べて原状回復費用が高額になる場合が多いと言われています。

原状回復費用を抑えるためにできるだけ安い工事業者へ依頼したいところですが、原状回復工事は、オーナーから工事業者を指定されることがほとんど。

もし可能なら、オーナーへ許可を取ったうえで他社から相見積もりだけでもとってみることをおすすめします。

他社での工事内容や相場を知ることができれば、不要な作業を省くなどの交渉の余地が出てくるかもしれません。

店舗やテナントの原状回復とは

原状回復とは、退去する際に店舗やテナントを入居する前の状態に戻すことで、原状回復の後にオーナーに引き渡します。

賃貸契約を交わし入居してから設置した設備や壁、床などをすべて撤去します。

入居時の物件は下記のどちらかの状態だったかと思いますが、どちらも入居前と同じ状態にしなければいけません。

  • スケルトン物件
  • 居抜き物件

スケルトン物件はコンクリートが打ちっぱなしになっている状態で、壁や床なども何もありません。

入居時は壁紙や床材から用意する必要がありますが、これらもすべてはがします。

反対に居抜き物件は、前の借主が設備や壁紙、床材などを残した状態のものです。

借りるときは初期費用を抑えられるメリットがあり、入居当時のまま残して退去できるため、あまり原状回復の必要はありません。

原状回復は借主の義務

賃貸借契約書にも示されていますが、原状回復は借主の義務です。

居住用賃貸物件と違い、店舗・テナントの場合は、借主が100%負担して工事を行わなければいけません

しかしながら、工事業者はオーナーの指定する業者に依頼することがほとんどです。

居抜き物件とは?

居抜き物件とは、前テナントやオフィスが利用していた造作・設備・什器等がついたままの物件のことです。

設備が全て残っていることもあれば、内装や設備が一部だけ残っていることもあります。

一方「スケルトン」とは、店舗内の床・壁・天井・内装などが何もない「建物の躯体だけの状態」を指します。

居抜き物件を退去する時の原状回復とは?

先ほど述べたように、居抜き物件は設備や家具などをそのまま残して引き継ぐことができる物件です。

しかし、造作や内装の汚れなどがお店には残っています。

そこで取り除く原状回復を、基本的に借主負担で行わなければなりません。

注意しておかなければならない原状回復の範囲

居抜きで物件をそのまま引き継ぐことができれば退去費用を安く済ませることができますが、そうでなければ原状回復の費用はより多くかかることもあるかもしれないことを知っておきましょう。

例えば、入居時は居抜き状態でも、退去時にスケルトン返しを求められる場合があります。

退去手続きを進める前に、賃貸契約書に記載してある退去時の原状回復範囲を把握しておきましょう。

居抜きする時の注意点

居抜き物件として次の入居者へ引き継ぐ時、原状回復を行わないので費用は比較的安く済みますが注意しておかなければならないことがいくつかあります。

貸主(オーナー)と相談する

居抜き物件として退去する場合は、その物件を居抜きとして売り出すということになります。

居抜き物件として魅力のある物件であるかどうか、入居者を集めることができそうかを貸主としっかり相談する必要があります。

居抜き物件として売り出すことを最終的に判断するのは貸主であって、退去する予定の借主が勝手に判断することはもちろんできません。

造作譲渡の必要性

居抜きで次のオーナーにテナントを引き継ぐとなった場合は、テナントの中の設備や家具を新たな借主が買い取る必要があります。これを造作譲渡と言います。

この造作譲渡を行うことで、以前の持ち主が作った造作(内装、設備)が物件を手放す際に無駄になることを防げるうえに、撤去してスケルトン物件にするのにかかる費用も削減できるため、譲渡側、買い手側のどちらにもメリットがあります。

また、造作譲渡にかかる費用は物件の状態によって変わります。この費用は新しい入居者と交渉して決めていくこともできます。

しかし造作譲渡は賃貸借契約では基本的に禁止されているので、造作譲渡を行う際は賃貸人の許可が必要となるということを注意しておきましょう。

店舗やテナントはいつまでにどこまで原状回復しなければいけない?

基本的にテナントでは借主負担で100%原状回復が必要ですが、例外として「居抜き物件」として退去する場合は原状回復が不要です。

「居抜き物件」とは、前借主の内装や設備、家具などがそのまま残った状態で次の入借主が入居すること。

同じような業態で営業するなら、次の借主も内装工事や設備、家具の用意をしなくてもよいので、少ない開業資金で開店することができます。

テナントのオーナーにとっても、原状回復工事の期間を空けずに、すぐに次の入居者に貸し出せるというメリットがあります。

また、原状回復は賃貸契約の流れの中でもトラブルが起こりやすい部分です。

こんなトラブルがよく見られます。

入居時には壁紙は新品ではなかったのに、退去時にすべて新品に交換するように言われた
半月前に電球を交換したばかりなのに、原状回復で新品に交換するように言われた
工事業者を指定されていて、費用が相場と比べてかなり割高となっている
入居時からあった破損についても修理費用を請求された

原状回復の範囲や例外など詳細については、賃貸契約書に細かく明記されていることが多いです。

退去時のトラブルを防ぐためにも、契約時に契約書の記載をしっかり確認しておくようにしましょう。

原状回復ガイドラインは店舗やテナントには適用されない

居住用賃貸物件の原状回復には「原状回復ガイドライン」というルールが定められており、このガイドラインにのっとって原状回復範囲が決まります。

しかし、店舗やテナントにはこのガイドラインは適用されません。

店舗やテナントの原状回復するときは、基本的に賃貸借契約書が全てです。

そのため、借主は賃貸借契約書をしっかり確認しなければいけません。記載内容に漏れがないか、過剰な工事内容が含まれていないかチェックしてみましょう。

賃貸契約の特約により原状回復範囲は異なる

店舗やテナントの原状回復は不特定多数が利用し貸主が想定できない損耗が発生することも考えられます。

そのため賃貸契約において、一般的な原状回復のルールとは異なる特約が設定される場合があります。

よくある特約としては、床材の張替え、天井材の張り替え、照明の交換などがあります。

通常損耗の範囲が居住用賃貸物件とは違うことを理解し、こちらも賃貸契約書の原状回復特約の欄を確認しておきましょう。

ただし、基本的に店舗やテナントが行う原状回復は間借りした範囲のみ

店舗やテナントの原状回復はトラブルが多いことでも有名で、その理由の一つに工事範囲が含まれています。

借主が原状回復する範囲は、物件を借りている部分だけです。その他の共有部分はオーナーが修繕するべき範囲です。

見積もりの中には、工事範囲に含まれていないトイレやエレベーター、通路などの共有部分も含まれていることもあります。

仮に見積もりに含まれていた際はオーナーに申し出ましょう。

まとめ

  • テナントの退去時には、入居時に入れた内装や設備、家具などをすべて元の状態の戻す「原状回復」が必要。費用はすべて借主負担です。使用方法がある程度決まっている住居と違い、テナントの場合は使用方法や損耗の予測が立てられないため、内装や使用方法の自由度が高い代わりに退去時は100%の原状回復が求められます。
  • テナントの原状回復は範囲は、全ての設備を元通りにする必要があり、最初からスケルトン状態の物件であれば、基本的に退去時にスケルトン状態に戻さなければなりません。費用は店舗の大きさや設備、作業内容などによっても変わりますが、1坪3~10万程度が相場です。飲食店は他の業態と比べて厨房設備や空調設備、収納棚や家具などが多いので原状回復費用が高くなりがちです。工事業者はオーナーから指定されることが多いですが、可能であれば他社から相見積もりを取ってみましょう。工事内容や相場を知ることができれば、費用交渉の余地が出てくるかもしれません。
  • 居抜き物件として退去することができれば原状回復は不要です。次に同じような業態が入るなら、次の借主は初期費用を抑えられる、オーナーは工事期間を開けずに貸し出せるというメリットがあります。原状回復は賃貸契約の流れの中でもトラブルが起こりやすい部分です。範囲や例外などの詳細は契約書へ明記されることになっているので、契約時には必ず目を通しトラブルを未然に防ぎましょう。

居抜き物件に入居する時は設備費用がかからないのでコストがかからずいいと思うかもしれませんが、退去する時のことを考えておく必要があります。

また、居抜き物件を退去する際、居抜きとして次の入居者へ引き継ぐのか、そうではないのかによって原状回復を行わなければならないのかが変わってきます。

原状回復工事を適切に行うために信頼できる過去に業績のある業者へ相談をしながら、工事を進めましょう。

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