「突き出し」「お通し」を出す側・出される側ともに複雑なところはありますよね?
居酒屋を経営している側からすると、チャージ代をもらう代わりのサービスとなっていますが、お客様側からすると、注文していないのに料金を取られるのはなかなか納得できないところではあるのではないでしょうか?
私は飲食業界に30年以上携わってきました。
色々なオーナーさんの下でたくさんのお店を立ち上げたり、立て直したりしてきました。
だからこそわかる細かなところを記事にしています。
少しでも参考になれば幸いです。
それでは私と一緒に見ていきましょう!
注目記事:飲食店舗開業・物件探し・内外装・デザイン・全てお任せのトータルサービス!
居酒屋で出す「突き出し」「お通し」の価値を上げる方法
「突き出し」や「お通し」は、日本の居酒屋やレストランで提供される一般的な料理で、顧客がメニューを注文する前に出される軽食です。これらの料理の価値を高め、顧客の満足度を向上させるために以下の方法を検討してみてください:
- 季節感を出す:
- 季節に応じた突き出しやお通しを提供しましょう。旬の食材を使った料理は新鮮で美味しいと感じられ、顧客に印象を与えます。
- 地域の特産品を活用:
- 地域の特産品や名産品を突き出しに取り入れることで、地域性をアピールし、観光客にも喜ばれるでしょう。
- 見た目を美しく:
- 料理の見た目に工夫を凝らし、盛り付けを美しく魅せることで、料理の価値を高めましょう。視覚的な要素は食事体験に大きな影響を与えます。
- 味に工夫を凝らす:
- 突き出しやお通しの味を独自性を持たせ、他の店との差別化を図りましょう。特にシェフの得意料理や秘伝の調味料を活用すると良いでしょう。
- ユニークな提供方法:
- 料理を提供する方法に工夫を凝らすことで、顧客に驚きを提供できます。例えば、石板や木の板の上に盛り付けたり、特別な器具を使ったりすることが考えられます。
- 説明とストーリーテリング:
- 料理の起源や背後にあるストーリーを顧客に伝えることで、料理に対する理解と興味を高めます。メニューに説明を付けるか、サービススタッフが説明することを検討しましょう。
- 無料ではないオプション:
- 突き出しやお通しを無料ではなく、別途料金を設定することで、料理の価値を高めることができます。ただし、このアプローチは注意が必要です。
- 特別なシーズンメニュー:
- 特別な日や季節に合わせて、突き出しやお通しのメニューを変更しましょう。クリスマスやバレンタインデーなどの特別な日に合わせた料理を提供することで、顧客に特別感を提供します。
- フードペアリング:
- 突き出しやお通しを特定のドリンクと組み合わせることで、料理とドリンクの相性を楽しむ体験を提供します。酒の種類やワインとのペアリングメニューを提供することが考えられます。
料理の突き出しやお通しは、顧客の期待を超えることができる素晴らしい機会です。料理のクオリティ、ユニークさ、そして食事の一部としての体験を強調し、顧客に満足度と価値を提供することが成功の秘訣です。
「突き出し」「お通し」の値段の相場は何円?
最近では、「突き出し」「お通し」を3000円と高額の設定にしていてトラブルの種になっているお店も存在します。
3000円の価値があるならいいのですが、キャベツだけとかなら普通に考えてトラブルになりますよね?
では実際に「突き出し」「お通し」の相場は何円ぐらいで提供しているのでしょうか?
飲食店関係者に対して行われたお通しに関するアンケートを紹介します。
調査対象 | 飲食店経営者・運営者 |
回答数 | 225名 |
調査期間 | 2018年2月22日~2018年2月27日 |
調査方法 | インターネット調査 |
画像引用:PR TIMES
このアンケート結果から値段を300円〜399円に設定している飲食店が5割弱となっており一番多い価格帯になっています。
お通し代を400円までに設定している飲食店は全体の約6割になるため、お通し代が400円以上するときは相場に比べて高いと言えそうです。
居酒屋などの飲食店では様々なジャンルのお通しがあるので値段の幅が広いですが、このアンケート結果を参考にして自分が満足のいくお店選びをしましょう。
「突き出し」「お通し」の違いについて
実は同じものを指します。
関東では「お通し」と呼ばれており、関西では「突き出し」と呼ばれています。
チャージ料金との違い
居酒屋やBARなどの飲食店やお酒を提供するお店では「チャージ料金」というものが請求されることがあります。
その内容や金額はお店によってさまざま。
座席料金や個室の利用料金やナッツやおつまみになるような料理である場合も少なくありません。
チャージ料金というものに明確な定義はなく、チャージ料金にお通しが含まれる場合もあれば別に請求をしているお店もあります。
またお店によっては「断ることも可能」で料金がかからない場合もあります。
「お通し」は海外には無い習慣
お通しというのは日本独特の習慣で、海外にはお通しは存在しません。
日本では当たり前のようにお水やお茶が無料で提供されますが、海外では有料であることが多く、お通しもそうした「サービスの一環」だと勘違いする訪日外国人の方もいることも知っておきましょう。
そのため、会計時にお通し代やチャージ料金を請求するとトラブルにもつながります。
日本人にはある程度は馴染みある「お通し」という習慣と無料のサービスの違いが、訪日外国人には難しいようです。
店舗によっては「お通し」を明らかに外国の方なら提供しないという店もあります。
「お通し」は注文していないので断れる?
お通しは居酒屋などで注文した料理を待つ間に楽しむことができる料理ですが、店ごとに内容が決まっており自分で選ぶことができません。
そのため、自分がいらない料理が提供されても拒否できなかった経験がある方もいると思います。
自分が注文してない料理にお金を払うのが嫌だという人も多いのではないでしょうか。
そんなお通しは提供を断ると違法になってしまうのか、徹底調査したので紹介していきます。
お通しは断ることができるの?
お通しを拒否できるかどうかは飲食店によって異なります。
席料とお通し代を別で請求している飲食店であれば、お通しを拒否できる可能性があります。
席料の中にお通し代が含まれている場合は、お通しの拒否はできても料金は請求されるケースが多いので覚えておきましょう。
ただし、メニューにお通しについての表記があったり、あらかじめお店側から説明を受けていた場合は断ることができないので注意が必要です。
最近ではトラブル防止のため、お通しを無料で提供している飲食店もあります。
お通し代の支払いについて詳しく知りたい場合は、事前にお店に問い合わせて確認してみましょう。
お通しは返金してもらえる?
お会計が終わった後にお通し代が請求されていたことに気づいた場合は、返金してもらえるのでしょうか?
結論から言うと、返金はしてもらえません。
事前にお通し代についての説明を受けていなかったとしても、一度手を付けた場合は法律上お通し代を払う義務が生じてしまうため、支払いの拒否はできません。
こういったトラブルに合わないためにも、お通しについての説明や表記がないかなどを事前に確認してから居酒屋などの飲食店を利用する必要があります。
これらのことから断られないでお客様に喜ばれる「お通し」を考えましょう!
前提としてお客様に自店では「お通し」が〇〇円ですと表記または最初に伝えましょう。
これをしておくことで、お客様も納得してもらえます。
「お通し」を選べるように種類を用意しておく
お客様が「お通し」を選べるようにすれば好き嫌いの問題は解決できます。
例えば、温かい料理・冷たい料理・野菜・肉・魚といった具合に数種類から選べるようにすると、「お通しが選べて美味しいお店」と評判になります。
「お通し」の原価は100%以上
「お通し」の原価率を100%以上に設定しましょう。
「お通し」で稼ごうとは思わないこと!
「お通し」が美味しければ他の料理の注文は必ずきます。
しかし、ボリュームは抑えて!
これだけでお店の評判はぐんと上がります。
「お通し」があることのメリット
実はお通しにはお店側にもお客さまにとってもメリットがあります。
ここからはそれぞれに対するお通しのメリットについて説明していきます。
居酒屋にとってのメリット
居酒屋側がお通しを出すメリットには以下のようなものがあります。
お店の料理の味を知ってもらうことができる
お通しが美味しければ、ほかの料理の味にも期待できます。
そのため、お店の料理の味をお通しによってアピールすることができます。
入店から最初に注文された料理がでるまでの間の間を持たせられる
注文からすぐに提供できない料理などを頼まれてしまうとお客様が手持無沙汰になってしまいます。
お通しを提供することでお客さまに最初の料理が届くまでの間をもたせることができます。
新商品のテストをお通しと提供して感想を聞くことで、料理の質を高めることができる
開発中の新メニューをお通しとしてお客様にためしてもらい意見を貰うことでより満足度の高い新メニューを作りあげることができます。
お客様にとってのメリット
お客様側がお通しをうけるメリットには以下のようなものがあります。
料理の味やお店のこだわりをすぐに体験できる
お通しをまっさきに口にすることでそのお店の料理の味やレベルを簡単に知ることができます。
待つことなく料理を口にすることができる
混んでいるお店や手の込んだ料理を注文してしまうと最初に料理が運ばれてくるまでの時間がどうしても長くなってしまいます。
お通しがあれば注文した料理の提供を待ち続けることなく料理を口にできます。
まとめ
飲食店において何かとトラブルの原因にもなりがちなお通しですが、マイナス要素だけではありません。
事前にきちんと説明をした上で提供すればお店にとって大きなメリットになりますし、お客さまの満足度向上につなげることも可能です。
飲食店の経営を行っていく際には他のお店とは一味違うお通しで差別化を図るなど、経営戦略の一部としてお通しを活用してみてはいかがでしょうか?