これから飲食店を開店しようとお考えのオーナーさん・店長さんは自店の飲食店が何類の許可が必要はおわかりでしょうか?
「なんのこと?」と思われるかもしれませんが、実は一言で「飲食店営業許可」と言っても、種類が別れているのです。
しかも食事の提供方法によって飲食店営業許可の種類が変わることもあり、複雑さが増しています。
意外と知られていない事実なのです。
今回の記事では
- 飲食店の営業許可の種類を知りたい
- これから営業許可を取得したい
という方におすすめの記事となっています。
私は、30年以上、飲食業界に携わってきました。
色々なオーナーさんの下でたくさんの飲食店をオープンさせたり、立て直しをしてきました。
だからこそわかる細かなところを解説して少しでも多くの方の参考になればと思っています。
最後までお付き合い頂きますようよろしくお願いいたします。
それでは私と一緒に見ていきましょう!
注目記事:飲食店の開業資金はゼロから始められるのか?物件選び・資金調達は?
飲食店営業許可の種類は4部門34種類もあります
飲食店とは食を扱うからこそ危険とも隣り合わせです。
だからこそ細かく法的に分けられて、管理されています。
温度管理を怠ったり、不純なものが混ざってしまうと、それを食べた人の体調が崩れ、悪かった場合には死に追いやってしまうこともあるかもしれません。
そんな危険性を限りなく減らすために、「食品衛生法」という法律の中で、食品の営業に関して一部の種類の扱いに「許可制度」が使われています。
許可が必要な営業は、全34種類。
- 調理業(飲食店営業、喫茶店営業)
- 製造業(菓子製造業、マーガリン又はショートニング製造業、あん類製造業、みそ製造業製、アイスクリーム類製造業、しょう油製造業、乳製品製造業、ソース類製造業、食肉製品製造業 、酒類製造業、魚肉ねり製品製造業、豆腐製造業、食品の冷凍又は冷蔵業、納豆製造業、清涼飲料水製造業、めん類製造業、乳酸菌飲料製造業、そうざい製造業、氷雪製造業、かん詰又はびん詰食品製造業、食用油脂製造業、添加物製造業)
- 処理業(乳処理業、食肉処理業、特別牛乳さく取処理業、食品の放射線照射業、集乳業)
- 販売業(乳類販売業、魚介類競り売り営業、食肉販売業、氷雪販売業、魚介類販売業)
きっとこの中であなたが必要としている営業許可は調理業(飲食店営業、喫茶店営業)でしょう。
「調理業」の中に『飲食店営業許可』が入ります
「調理業」の中には、【飲食店営業許可】と【喫茶店営業許可】の2種理があります。
『食品衛生法施行令』第35条によると、
『飲食店営業許可』でできること
飲食店営業(一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、レストラン、カフエー、バー、キヤバレーその他食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業)
となっています。
- 「食事」などの献立を立て、その場で調理また提供し、食べた人からお金をもらっている全ての店(和食店、洋食店、ラーメン屋、居酒屋、弁当屋、ファミレス、ファーストフード店、など)
- カフェと言う名で、メニューにスパゲティやオムライスがある店
- 食事を提供するこども食堂、高齢者の居場所・サロン、認知症カフェ
- お酒OK
一般的な食事をすることができる、世の中の大半のお店は、この『飲食店営業許可』に入ります。
『喫茶店営業許可』でできること
喫茶店営業(喫茶店、サロン、その他の設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業)
- 飲み物だけを提供する店
- 軽食(簡単な調理。トーストは可能)を提供する店
- 飲み物と、ケーキやお菓子(自分の所で作った)を提供する店
- カップ式の自動販売機を設置し、コーヒーなどの飲み物を売る
- 飲み物と簡単なお菓子程度、を提供するこども食堂
- 飲み物と簡単なお菓子程度、を提供する高齢者の居場所・サロン
- 飲み物と簡単なお菓子程度、を提供する認知症カフェ
『喫茶店営業許可』では、簡単な食事を提供することができるというのがポイントになります。
喫茶店営業許可よりも、飲食店営業許可の方が提供できるメニューに関しては幅広いです。
今はまだメニュー内容を決めかねているのであれば、飲食店営業許可の取得をオススメします。
ただし、【飲食店営業許可】を取得するためには、設備の基準があるので要注意です。
実は『飲食店営業許可』は3つの種類に分かれている
飲食店営業許可ですが、実は1種類ではなく、
- 一類
- 三類
- 五類
3つの種類に分かれています。
1類は厨房と客席がわかれているお店と、移動販売
一般的に言われている「飲食店営業許可」はこの一類のことです。
調理して食事を提供するお店や、調理も行う移動販売車はこれに入ってきます。
3類はお弁当やサンドイッチなどの調理販売
飲食店営業許可の中でも、お弁当やサンドイッチなどを作るだけで、その場で食べてもらわないパターンがココに入ります。
もしお弁当屋サンドイッチを作り、しかもその場で食べてもらうのであれば、1類の資格が必要です。
5類は移動販売の例外
調理済みの商品を持ち運び売る、移動スーパーなどがここに入ります。
もちろんこれらの基準は取得するための条件も少しずつ変わってきます。
- 自動車で移動販売を行う
- ただし、簡単な加熱しかしない→食材を切ったりはしない
- 提供できる食品は3品まで
つまり、実際の細かい調理は移動販売の車の中では行わないのです。
申告手数料
衛生監視事務所に支払う手数料一覧
飲食店営業 | 16,000円 |
---|---|
飲食店営業(露店) | 8,000円 |
喫茶店営業 | 9,600円 |
喫茶店営業(露店) | 4,800円 |
菓子製造業 | 16,000円 |
飲食店営業 | 14,000円 |
菓子製造業 | 7,000円 |
あん類製造業 | 14,000円 |
アイスクリーム類製造業 | 14,000円 |
乳処理業 | 21,000円 |
特別牛乳搾取処理業 | 21,000円 |
乳製品製造業 | 21,000円 |
集乳業 | 9,600円 |
食肉処理業 | 21,000円 |
食肉販売業 | 21,000円 |
食肉製品製造業 | 21,000円 |
魚介類販売業 | 9,600円 |
魚介類せり売営業 | 21,000円 |
魚肉ねり製品製造業 | 16,000円 |
食品の冷凍又は冷蔵業 | 21,000円 |
食品の放射線照射業 | 21,000円 |
乳酸菌飲料製造業 | 14,000円 |
清涼飲料水製造業 | 21,000円 |
氷雪製造業 | 21,000円 |
氷雪販売業 | 14,000円 |
食用油脂製造業 | 21,000円 |
マーガリン 又はショートニング製造業 | 21,000円 |
みそ製造業 | 16,000円 |
醤油製造業 | 16,000円 |
ソース類製造業 | 16,000円 |
酒類製造業 | 14,000円 |
納豆製造業 | 14,000円 |
めん類製造業 | 14,000円 |
そうざい類製造業 | 21,000円 |
缶詰又は瓶詰食品製造業 | 21,000円 |
添加物製造業 | 21,000円 |
まとめ:あなたが提供したいメニューによって取得する『飲食店営業許可』の種類が変わる
営業許可の種類について細かく解説してきました。
普通の飲食店、お弁当形式、移動販売、提供する方法によって、飲食店営業許可の種類は変わってきます。
あなたの提供したい商品によって変わるのでまずは最初に何を提供するのかを決めて、必要な許可を取得しましょう。
最後までお付き合いありがとうございました。
最後に飲食店のオープンまでのタスクをまとめた記事も載せておきます。
ぜひ参考にしてください。